システム工事の危険予測

工事で事故を防ぐために危険予測を立てる「KY活動」というものがあります。

作業開始前に、転落、感電、はさまれ、などの危険予測を、現場を見ながら事前確認してチェックシートに記入して、作業者全員で共有します。

FAシステム開発では、工場への導入時、触るものはパソコンやスマホで、パソコン台の周辺しか歩かないため、基本的に転落も感電もはさまれもしません。

しかし、システムにもKYのようなチェック表が必要だと、最近は学ばされました。

とくに必要になるのは、機能追加するとき、つまりアプリのアップデートをするときです。

アプリのアップデート後の動作確認をしたあとアップデート前のデータに戻せるよう、はじめにバックアップをとります。バックアップを取ることが難しければ、データを戻す必要がないよう、お客様に実際の作業をしていただくことを動作確認とします。データを戻す方法がないと動作確認後に狂ったデータを戻すため、何人も長時間、無駄に働くことになります。

わかっているつもりでも、見落としや思い込みがあります。とくに起こりやすいのが、自分達が作っているシステムと、他のメーカ様のシステムが、連携する仕組みになっているときです。小さなズレでも時間が経ってから気づいたころには不良品が作られてしまいます。短時間で気づけても、そもそものズレの数が多いと、元に戻すまで数時間かかります。こちらのズレが小さくても、他のメーカ様のシステムのズレが大規模になることもあります。パターンによって、影響の大きさと種類が変わります。目で見てわかることではないため、仕様と使われ方がヴァーチャルに頭に入っている必要がありますが、個人の記憶に頼るのも危険です。やはり、他のメーカ様と、お客様と、みんなでしっかり細かく話し合い、食い違いが無いよう、事前確認が必要になると気づかされます。

実際に起きてしまった瞬間から、どうして防げなかったのかということが、頭のなかをぐるぐるまわります。

防ぐには、システムにも危険予測のチェックシートが必要だという結論になりましたが、これまでの経験では前例がないため、工事のチェックシートの項目に追記することで防ぐという方法になりました。項目が足りなそうであれば、独自にフォーマットを作ろうと思います。